César Aira, El congreso de la literatura (Barcelona, Random House Mondadori, 2012) メキシコ以外の世界に向けての版、と謳っているけれども、つまり、以前(1997)、小さな出版社から出されたものが、大手で再版されて出回るものだということ。だと思う。「メキシコ以外」というのは、メキシコではEraがアイラの作品は出しているので、これもこの社の版があるか、もしくは、これから出るのだろう。 マクートの糸という自然現象を解明した〈マッドサイエンティスト〉こと私(セサル)は、クローン製造に乗り出し、試作人物の制御に困って、天才のクローンを作らねばと思い立つ。天才というので思いついたのはカルロス・フエンテス。そこで、フエンテスの細胞を盗むために、ベネズエラのメリダで開かれる作家会議にやって来る。首尾良く細胞を盗み出したはいい