The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable 予想不可能だが、一度起きるとそのインパクトが強大で、起きた原因を後知恵解釈しかできない事象を"Black Swan"と名付けて、そのBlack Swanの例示と、Black Swanに対処できないアカデミックと経済界のセレブを揶揄している本である。著者は哲学読書が趣味なので、書籍全体が衒学的なレトリックに満ちている。 これは、賛否の分かれる本であり、僕の評価は、読み始めた頃は賛だったが、読み終わった今は否である。 まず賛なところは次の通り。 俗物成功哲学への批判 「となりの金持ち」などのたぐいの、「金持ちになるには一生懸命、前向きに」とか「一円を大切に」とか、「感謝の気持ちを大切に」等の俗物成功哲学を批判し、成功者になったのは単なる確率事象でラッキーだったにほかならないということを指摘し