野記読書会のブログ清朝末期に官僚を務めた人物が民国期になって、清朝時代に見聞した事を書いた『清代野記』の現代語訳。 毎週日曜日に4話づつ更新予定。 底本は張祖翼(坐観老人)撰『清代野記』(北京:中華書局,近代史料筆記叢刊,2007年)を使用。中華書局本の底本は1914年野乗捜輯社鉛印本。 第43話 要钱弗要命(金を要して命を要せず) 北方の気風は剛毅で、勇ましいことを善しとして、負けず嫌いのケンカ好き、ついには身体に障害を残すような事をしてでも金銭を得ようとするものまでいるという有様である。光緒帝の初年、私は都で二つの出来事を目撃したが、それを記録することによってその気風の証拠としようと思う。 ある年の端午[i] の数日前、私は琉璃広[ii] に行って、はじめて広西門の中に入った。とある餅[iii] 店の前に人垣ができていたので、何事かと近くによってみると、上半身裸の少年が地面に横たわって
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