【ワシントン=大木聖馬、北京=竹腰雅彦】複数の欧米メディアは27日、米国防当局者の話として、米海軍の駆逐艦が南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島で同日午前、中国が岩礁を埋め立てて造成した人工島の12カイリ(約22キロ・メートル)内の海域を航行し、巡視活動を開始したと報じた。 中国が「領海」と主張する人工島の周辺海域で公海上と同様に行動することで、中国の主張を否定した形だ。中国政府は反発をみせており、南シナ海情勢は緊迫化する可能性が出て来た。 ロイター通信によると、第7艦隊に所属するイージス駆逐艦「ラッセン」が、スービ礁とミスチーフ礁の12カイリ内に入った。巡視活動は「2~3時間で完了する」(米国防当局者)見込みだ。P8A哨戒機などが上空から監視する可能性もある。第7艦隊は神奈川県・横須賀港を拠点としている。 両岩礁は、中国が人工島に造成する前は満潮時に水没する「低潮高地(暗礁)」だった。国連