当ブログでは天理市内を中心に、上街道沿いの町並みや旧跡をこれまでいくつか紹介してきました。 今回ご紹介する長岳寺は、上街道沿いというよりは「山の辺の道」沿いと言った方が適当かもしれませんね。 奈良県天理市は石上神宮や黒塚古墳、崇神天皇陵といった古代から続く神社や旧跡が数多く残る歴史ある地域ですが、県内の他の旧跡密集地帯とは違って、大規模寺院の空白地域になっています。 というのも、現在の天理市域は明治に起きた廃仏毀釈の動きが奈良県内でも激しかった地域の一つで、江戸時代まで残っていた古刹の多くが神宮寺だったこともあり、内山永久寺をはじめとした歴史ある寺院の殆どが廃寺となってしまったからです。 多くの古刹が姿を消していく中、長岳寺はその荒波を乗り越え、今では四季折々の花と紅葉の名所として、山の辺の道を散策する方々を中心に多くの参拝者が訪れる名刹となりました。 貴重な文化財や興味深い伝説に彩られた