人は本当の自分の顔を見ることは一生できない。本当の顔をライブで見ているのは他人であるという現実が歴然とある。本当の自分は自分が1番よく知っているし,他人には分からないものだと思う人は多いはずである。しかし,「本当の自分」とは一体何なのか。これが分かれば,あるいはかなり明らかになれば,自立できない納得できる理由が分かり,これからの方策策定に確信が持て,揺らぎやブレといったものが少なくなるのではないだろうか。ましてや相談員の私たちにとっても,相談者が自己理解できていれば,対処の仕方も組み立てやすくなるはずである。 自立できないでいる人たち全員が自覚できていることといえば「周囲や社会から自立できていないと思われている自分が今ここにいること」である。思っている自分と,思われている自分にはギャップがあり,さらに客観的なデータが示す自分とも少しの違いがあることを受け止めておかないと,何を軸にして,どこ