「第23回橋田賞」「第3回市川森一脚本賞」が相次いで発表された。両会場に共通しているのは、圧倒的な「若手不在」の光景だった。橋田賞を盛り上げたのは脚本界のレジェンドたちで、新人脚本賞の入選作は該当なし。新進脚本家に向けた市川森一脚本賞も、賞創設3年で早くも本賞なしというピンチに立った。背景には、新人の出る幕が激減する制作現場の現状があるという。 ********** 市川森一脚本賞は、フジテレビ「素敵な選TAXI」で連ドラ初脚本を務めたバカリズム氏と、NHKEテレ「悪夢」の宇田学氏が奨励賞を受賞したものの、本賞は該当者なしだった。そもそも選考対象となった作品が3氏4作品と少なく、5人の選考委員からも「残念」の声が多く聞かれた。 同賞が苦戦しているのは、選考の2大柱を「新進作家」と「オリジナル作品」に置いているためだ。昨年放送されたテレビドラマが対象だが、この2点を満たす作品は極端に少ない。