北朝鮮では、どうやって人々の不満や要望を吸収しているのであろうか。北朝鮮はトップダウンの圧政というイメージが強い。しかし、圧政ばかりでは、これほど長い間、政権を維持することは難しいはずである。実際には、北朝鮮は1948年の建国以来、朝鮮労働党が政権を維持している。人々の不満や要望を吸収するボトムアップのシステムが存在するから、これほどの長期政権が可能になっていると考えたほうがよいであろう。 「金正恩(キム・ジョンウン)は大統領になるのか?!」の回で論じたように、北朝鮮には自由選挙がない。最高人民会議代議員を選ぶ北朝鮮の選挙制度では1つの選挙区に1人しか候補者がいない。このため、1人の候補者を信任するか信任しないかの選択肢しかない信任投票になる。これが朝鮮労働党の一党独裁を支える制度になっている。この選挙制度では、人々が不満や要望を表明することは極めて困難である。 北朝鮮では、選挙制度で人々