企業全体にわたって業務とシステムの最適化を図る「エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)」。全体最適の概念が象徴的に表れるEAを学ぶことは,ITアーキテクトの考え方を知るうえでも大いに役立つ。モデル化だけでなく,システムを“あるべき姿”に近づける仕組みやプロセスの理解が重要だ。 国内のIT業界で,アーキテクチャの概念やアーキテクトという職種が広く認知されるようになったきっかけの1つが,「エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)」を巡る最近の動きであろう。2001年から2003年ころ,東京三菱銀行や松下電器産業といった大手企業,あるいは経済産業省を中心とする中央省庁が相次いでEA策定の取り組みを開始。ITベンダー各社もユーザー企業のEA策定を支援するサービスを提供し始めた。 本講座では,企業情報システムの「全体最適」を実現するEAを取り上げる。 Part1はEAの基本的な概念を紹介してから,
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