クールジャパン推進会議の「ポップカルチャー分科会」議長の中村伊知哉先生が、日本のポップパワー発信10策というたたき台アイデアを公開されています。 案の定、「コンテンツは自然発生的に流行っていく物であって、政府が余計な手を出すものではない」というような批判の声が聞かれています(なんて話は元々はクリエイター側にいた中村先生はよくご存じの上でやられていると思いますが)。 私としては、何らかの形での支援はあってもよいと思います。フランスなど諸外国も何らかの形で政府がアーティストに援助をしています。クリエイターではなく、コンテンツオーナーに金が回るような援助は勘弁して欲しいですが。 この手のコンテンツ政策の重要なところは短期的かつ金銭的な収益だけではなくて、長期的に見た国のイメージ向上に結びつくという点があります。たとえば、ハリウッド映画が世界中に与えているプロパガンダ効果は無視できないでしょう。
MSN産経ニュースに「「著作権特区整備を」 東京五輪へ文化プログラム協議」なんて記事が載ってます。 6年後の東京五輪に向け、日本文化を世界に発信するプログラムについて話し合われ、評議員からは「著作権の有無が不明で文化的に優れた作品を収集する著作権特区ミュージアムの整備を」 なんて議論があったそうです。行政が何かしなければいけないときにどこから手をつけていいかわからないので、とりえあず特区を提案するというのは良くあるパターンかと思います。 一般的に言って、特区、つまり、経済政策的な観点から地方自治体ないし政府が地域限定で実験的に特別なルールを決めることが効果的な場合もあるでしょう。たとえば、特定地域での税制優遇措置や規制緩和等です。 しかし、著作権は特区になじまないと思います(この話は以前も書きました)。著作権は基本的に私権だからです。加えて、コンテンツの流通は地域的に限定できるものではない
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