【北京=譜久村真樹】北京五輪開幕まであと11日。選手村で生活する各国選手団・役員ら約1万6000人の胃袋を満たす野菜や穀物は厳重に警備された農場で生産される。 残留農薬問題や冷凍ギョーザ中毒事件などで、食の安全について国際的に厳しい視線を浴びている中国は不安を払しょくしようと躍起。「五輪野菜」を栽培している農場を訪ねてみた。 選手村から万里の長城へ通じる高速道路を走って約30分。民家もまばらな平地に3メートルほどのレンガの壁で囲まれた一角が現れた。五輪組織委の契約先の一つ「北京天安農業発展有限公司」の経営する農場だ。 警備員が立つゲート越しに中をのぞき込むと、数十ものビニールハウスが整然と並んでいる。出入り業者らの車のナンバーを1台ずつチェックする物々しさ。野菜を運ぶトラックは全地球測位システム(GPS)を使って移動位置を把握する念の入れようだ。 農場の従業員によると、ビニールハウスの入り