児童買春・児童ポルノ禁止法の改正をめぐり、日弁連は児童ポルノ画像を個人で見るためだけに所有する「単純所持」を禁止すべきだとの意見書をまとめた。捜査機関の権力乱用を防ぐ観点から規制強化に慎重な立場だったが、インターネット上などで児童の性的虐待画像がはんらんしている現状を憂慮し、姿勢を転換した。意見書は23日、関係省庁や各政党などに提出する。 日弁連は、前回の法改正時にまとめた03年の意見書で「(画像の)流通抑制は製造、販売の厳格な摘発などによるべき」だとし、単純所持の規制に反対した。現在でも内部には「取り調べ可視化さえ実現していない段階で、捜査権力を拡大するのは危険」との意見がある。このため新たな意見書では処罰規定までは求めず、禁止明確化を求める。【丹野恒一】