江戸城の天守閣の再建が話題になっている。東京オリンピック開催も後押ししているようだが、観光立国をめざす中で、今こそ日本文化の象徴として壮大な木造の天守閣(姫路城の3倍の体積!)を復元しようというものだ。 実は、同じような天守閣再建をめざす動きは各地にある。本丸御殿を復元中の名古屋城は、次に現在のコンクリート製天守閣の木造化をめざしている。同じく北海道の松前城も、コンクリート製天守閣が耐震性の問題から建て替えが課題となっており、その際に木造の天守閣にする構想が模索されている。小田原城も木造化構想を描いているし、静岡県は駿府城の天守閣復元構想を知事が披露した。すでにいくつかの櫓や御門の復元が行われた流れに沿っている。何かと城郭の復元ブームなのである。 こうした動きが起きたのは、戦後建てられたコンクリート造りの復元天守閣の耐用年限が近づいているものの、再び再建する場合、コンクリートでは認められな