古本屋めぐりをまったくしなくなった。 福岡には古本屋がないせいである。 いや、あるよ。 あるけど、遠いし、ほとんどないので行かないのである。 言っとくけど、ここで言っている「古本屋」っていうのは、ブックオフとかそういうアレじゃないから。古書店だから。 大学時代は、大学の周りの古本屋をよく歩いた。あと、学生自治会運動で東京に国会要請に行ったときはほぼ必ず神田の古本屋歩きをした。 1953年刊行の岩波書店『日本資本主義講座』(戦前の野呂栄太郎たちがかかわった『日本資本主義発達史講座』の方ではない)を買って「『発達史講座』があれくらい高い評価をもらったのだから、戦後のマルクス主義者たちのこの講座はきっとスゴいに違いない」と無根拠なコーフンしたものである。 むやみに安かったし。 まとめ買いして下宿に、ドン、と置いておくのだ。 これ見よがしに。 これでもうアレである、戦後のマルクス主義の到達は一気に