ミキはもともとは沖縄の農耕儀礼で振る舞われる飲み物で、今でも地方によっては旧暦の6月近辺の行事で手作りのミキがでてきたりもする。好みが分かれるのだが、割と僕は好きな方だ。 さて。そんなミキだが、もともとは乙女が噛んだ米を材料にした口噛み酒だったという。とはいえ沖縄本島ではかつてそうだった、という話がほとんどで実際に作ったことがある、作っていたという話は全然聞いたことがない。なのでなんとなくこの話にリアリティを感じていなかったのだが、この前調べ物をしていたらこのミキを口噛みで作ったという人の話が見つかったのだ。 ばあは口噛酒を造った~新垣カナさん(90歳)~(昭和55年2月26日) もう記事のタイトルからしてすごいのだが、見つけたのは泡盛の情報を扱った「醸界飲料新聞」の1980年の記事で伊平屋島の我喜屋(がきや)という集落でその昔口噛みでミキを作っていたという90歳のおばあさんの話が掲載され