自動車整備工場に勤めている高橋清次郎さんは、発明を趣味にして15年。これまでに、靴を脱ぐ靴べらの発明が商品化されて、特許料も約60万円稼いだ実績がある。 そんな高橋さんが、奥さんが共働きに出る関係で、一日おきに家事をしなければならなくなった。 何にでも好奇心旺盛な高橋さんは、普通であれば面倒くさがる台所仕事にも、「何かアイデアのたねはないだろうか・・・」と、常に問題意識を持って取り組んでいた。 そんな中、鍋で煮物をしているときに生じるささいな問題に気がついた。お玉の置き場所に困るのである。鍋の中に入れたままでは、蓋を閉じることができない。加えて、お玉の柄の部分が熱で熱くなる。そこで、どこのご家庭でもお皿を置いて、その上にお玉を置いている。このちょっとした作業が意外に面倒で、作業効率の悪さにつながっていると感じた。高橋さんはいろんな発想をめぐらせてみた。そこでひらめいたのが、お玉の柄をフック