【ラスベガス=坂本幸信】トヨタ自動車は5日、水素で走る燃料電池車(FCV)の普及を促すため、世界で保有するFCV関連の特許約5680件を、すべて無償提供すると発表した。 1社だけの努力では普及は難しいとして異例の措置を決めた。2020年までに世界で1万台の普及を目指す。 トヨタは14年12月、FCV「MIRAI(ミライ)」を世界に先駆けて日本で一般発売した。FCVを普及させるには、水素ステーションなどの整備も必要で、ライバルである他の自動車メーカーに参入を促すと同時に、エネルギー会社に協力してもらうことが不可欠と判断した。 トヨタが特許を無償提供するのは初めてという。エコカー開発で有償で特許を提供したことはあるが、こうした方針を転換する。 ミライは、15年10月から米国での発売も予定しており、17年までに3000台の売り上げを見込む。米ラスベガスで6日開幕する「国際家電ショー」を前に、北米