行動観察などで得た大量の情報を整理する手法に「ストーリーボード法」がある。ストーリーボードは、映画のストーリーを効率的に考えるためにウォルト・ディズニーが考え出したものだ。 これが映画だけでなくイベントの構成や雑誌の誌面プラン、さらにはプロジェクトの進捗状況チェックにも利用されるようになる。今回はデザイン思考でも大活躍するストーリーボード法の極意について解説したい。 ストーリーボード開発の契機 映画の製作ではストーリーを練る会議が開かれる。いわゆるストーリー会議である。この会議に出席するアニメーター達は、自分の頭の中にあるイメージを口頭で表現しなければならない。しかし自分の思いがなかなか相手にうまく伝わらない。 そのためアニメーターらは、あらかじめスケッチブックにイメージをラフスケッチしたり、その場で描いたりするわけだが、それでも映画としての一連の流れが見えてこない。ウォルト・ディズニーら