NTTとNHKの改革が話題になる中で,その両社が抱える研究所のあり方が注目されている。竹中平蔵総務相の私的諮問機関「通信・放送の在り方に関する懇談会」でも,NTTやNHKの研究所について「研究開発は外部に出すべきだ」という意見が出た。これに対して,NHKの橋本元一会長は「放送に利用する技術は,制作現場とつながっているからこそ開発のパワーが出てくる」と分離に反対している。 しかし世界的に見ると,NTTやNHKの研究所はかなり特異である。NTTは持株会社の中に12も研究所を持ち,約2800人のスタッフがいる。これは通信会社(コモンキャリア)の研究所としては世界最大である。NHKにも放送技術研究所があるが,放送局の研究所というのは世界に例を見ないものだ。こうした研究所があるのは,NTT法や放送法で「研究義務」が課されているからだが,メーカーが世界でもトップクラスの技術を持つ日本で,NTTやNHK