先日、菅直人元首相が、Twitterに日本維新の会と橋本徹氏について「ヒトラーを思い起こす」と投稿したことが話題となりました。 繰り返してはならない歴史として、2022年の今もナチ・ドイツの政府が参照され続けています。 それでは、そんなヒトラー政権が、実は少数派政権だったのはご存知ですか? 国会の過半数を取れなかったのにもかかわらず、緊急事態条項をしたたかに利用することで、ナチ党は力をつけていきました。 ヒトラーがどうやって権力を集中させていったのか、ドイツ現代史・ジェノサイド研究の専門家、石田勇治先生と一緒に学んでいく講義を紹介します。 大統領緊急令が法律と化した時代 緊急事態条項とは、非常事態に国家の存立を守るために、国家権力が人権保障と権力分立を一時停止して緊急措置を取ることを許可する条項のことを指します。 ヒトラー政権が台頭したワイマール共和国(1918/19〜33)では、緊急事態