【ニューヨーク=長戸雅子】有力地方紙の経営危機や廃刊が相次ぎ、「地元日刊紙を持たない都市が近く出現するのではないか」との懸念が米国内で強まっている。 ニューヨーク・タイムズ紙は「主要紙のない初めての都市がどこになるかは分からない。しかしその候補になっている所は全米にある」と地図付きで各州の都市を基盤とする新聞が消えつつある現状を詳報した。「新聞の命運そのものがニュースとなる」(フランス通信、AFP)事態が米国では続いている。 約150年の歴史を持つ西部ワシントン州シアトルのシアトル・ポストインテリジェンサー紙は16日、17日付紙面を最後に電子版のみの発行への移行を発表した。アリゾナ州のトゥーソン・シチズンは21日にも廃刊する予定で、先月にはコロラド州デンバーのロッキーマウンテン・ニュースが廃刊した。 シアトルにはシアトル・タイムズ、アリゾナ州にはアリゾナ・リパブリック紙、デンバーにはデンバ