腕利きベーシストのフィル・アップチャーチと言えば、これまでにジャズ界の偉人ディジー・ガレスピーやジミー・スミス、B.B.キングやジョン・リー・フッカーといったブルース界のレジェンドと共演を果たした上、マイケル・ジャクソンの『Off The Wall』にまでフィーチャーされたことがある経歴の持ち主だ。その彼が歴代参加した中で最も奇妙だった2大セッションとして挙げるのは、60年代末のマディ・ウォーターズ(『Electric Mud』) と、チェス・レコード傘下のカデット・レコードのために行なわれた『The Howlin’ Wolf Album』である。 1968年、レーベル・オーナーだったレナード・チェスを父に持つ進取の気性の息子マーシャル・チェスは、ウォーターズに次いでハウリン・ウルフをサイケデリック・サウンドに挑戦させた。フィル・アップチャーチによれば、チェスJr.が望んでいたのは「彼らを
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