母親へのプレゼントは悩ましい。 そりゃあ、直筆の感謝の手紙でも書けば必ず喜んでくれるのだろうが、いい大人の男が毎年毎年お手紙というのも、どうにも気恥ずかしい。 ということで毎年母の誕生日が近づくと、うんうんと唸って、結局は牛肉セットやら、ドライフラワーやら、温泉券やら面白みのないプレゼントを贈ってきた。 ところが、今年の俺には自信があった。悩む必要もない、しかも面白く、きっと便利なプレゼントができるという自信である。 今度60歳になる母が、珍しくゲームにハマっていた。ポケモンGOだ。 たまに実家に帰ると、車に乗りながら、道で歩きながらこんなポケモンがいる!とか、楽しそうに語っていたのだ。 俺はポケモンGOは最初にちょっと触ってやらなかったし、ソシャゲは廃課金する方で、 母をドン引きさせてしまう可能性が高いので、一緒にプレイしようという気は起きなかった。 あえて、100円分浮いたよ!とか語る