俺禁止単語追加。その単語は、うちの文章さんに使わせるには抵抗のある言葉なので、ここでは自慰と書く。それでは―とかわらない、とか、監督の―的な作品、などと使われる言葉だ。 この言葉は、元来育ちのよいうちの文章さんが嫌がるものだが、禁止する主な理由は別にある。 まずそれはこの言葉が、煎じ詰めると、制作者の努力の評価をおこなうものであるということだ(製作者の努力の評価/の禁止)。つまりこの言葉は、制作者が自分の好みからどれだけ視聴者の平均値にまで歩み寄れたかを評価するものである。評価というものは、語り出しの枕ならまだしも、文章の本筋を担える題目ではない。 次に、制作者の好みというのは、その論者が非常に恣意的に推測したものである。視聴者の平均値はそれにくらべれば少し客観性が高いが、やはりかなりが推測になる。だから拠って立つところがない。 そのようにあやふやなので、自慰的、という形容は、およそどんな