横山秀夫さんの作品を読むのは久しぶりになります。 一番最初に読んだのは『半落ち』でした。 ここでがっつりと心をつかまれ、以来、大ファンです。 その後、『クライマーズ・ハイ』、『64(ロクヨン)』など、期待を裏切らない、読み応えのある作品ばかり。 警察ものが多い作品のなかで、この『ノースライト』は建築家の小説でした。警察も検事も出てこないし、殺人事件も起きない。 バブル崩壊を機に、壊れた人間関係、登場人物それぞれの人生をからめて、たくさんの謎が繰り広げられていきます。 主人公「青瀬稔(あおせみのる)」は一級建築士。 「すべてお任せします。あなた自身が住みたい家を建てて下さい」という依頼を受け、 信濃追分の地に、自分のすべてを注ぎ込んだY邸を建築した。 出来上がったY邸は、建築雑誌にも取り上げられるほどの高い評価を得、施主も大満足での引き渡しとなったのだが・・・ その後、引き渡しから現在に至る