「区長は全員と話さなければいけないのではない。差別はしないが、区別はする」。東京都練馬区の前川燿男(あきお)区長(70)が、区民との集いでこんな発言をしたことに、会場にいた人から「都合の悪い意見には耳を貸さないのか」と疑問の声が上がっている。 (石原真樹) 発言があったのは、一月二十六日夜に石神井公園区民交流センターで区が開いた「区長とともに練馬の未来を語る会」。質疑応答で、女性の区民が「区に対する反対意見も聞いてほしい」と訴えたのに対し、前川氏は冒頭の発言をした後、「私を真摯(しんし)に支援してくれる人と、練馬区を発展させたい」などと答えた。 女性は、東京外郭環状道路・練馬-世田谷区間の建設計画に反対する住民団体のメンバー。練馬区が関越自動車道高架下で進める高齢者センターの建設計画を「地域が分断され、高架のコンクリート片が落下する危険がある」と反対する住民運動にも参加してきた。 女