「人生いろいろ、会社もいろいろ」と国会で答弁した元総理大臣もいたが、本当に会社はいろいろだと思う。例えば、退職する社員に対する会社や上司、同僚などの態度も会社によってさまざまだ。対照的な二つの会社のケースを紹介しよう。 仮にそれぞれA社とB社としよう。両社とも中小ITベンダーであり、事業内容や社員数などは似たり寄ったりである。ところが社風はかなり異なり、特に社員が辞めるときと辞めた後の対応は正反対といってよいくらいなのだ。 A社にとって退職は「裏切り」と同義語であるらしい。退職の意思を示そうものなら、上司や同僚から「どうして辞めるのだ。辞められると困るんだよ。なんとか思いとどまれないか」と、ものすごい剣幕で引き止められる。それは脅迫に近いくらいの勢いらしい。最後は社長が出てきて熱烈に説得され、それでも退職の意思が変わらないと「育ててもらった恩を忘れたのか!二度とお前の顔は見たくない」とけん