食糧安全保障は誰のためのものなのか 食料は生命身体の維持に不可欠であり、国民生活の基礎的物資である。食料安全保障はエネルギーの安全保障と対比されることが多い。しかし、石油や電気がなくても江戸時代の生活に戻ることは可能であるが、食料がなくては江戸時代の生活にさえ戻ることはできない。 問題は、食料自給率の向上、食料安全保障の主張は、誰がどのような意図や目的の下に行っているのだろうかということである。 1918年の米騒動で米移送に反対して暴動を起こしたのは魚津の主婦であって農家ではなかった。終戦後の食料難の際、食料の買出しのため着物が一着ずつ剥はがれるようになくなる「タケノコ生活」を送ったのは、都市生活者であって農家ではなかった。このとき、農家は農産物価格の上昇で大きな利益を得た。近くは1993年の平成の米騒動の際、スーパーや小売店に殺到したのは消費者であって農家ではなかった。 政府・与党が掲げ
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