招待席・出版編集 宮武 外骨 みやたけ がいこつ 出版編集者 1867.1.18 - 1955.7.28 讃岐(香川県)小野村に生まれる。明治十八年(1885)外骨と名乗り、生涯に「頓智協会雑誌」や「滑稽新聞」「スコブル」等を興しまた不敬罪で下獄するなど波瀾あって後、大正十三年(1924)東京帝大に入り明治新聞雑誌文庫を創設した。 掲載作は、大正四年(1915)四月二十三日、大阪文藝同攻会の講演会にて「俗文学と猥褻」と題して口述した大意であると著者は云う。 政教文藝の起原は悉く猥褻なり 進化説を骨子とせる新科学の上より見れば、道徳観念は原人が社会を組織する必要上発生せし思想の習性たること明かなり、而(しか)して其(その)道徳観念の一たる羞恥の感の如きも、生存競争の一事象より起りしものたること論なき所とす、裸体にして恥(はぢ)ざりしは原始時代の常態にあらずや、後世の政治家は其道徳観念を維持