「1人真打ち」つらかった 古今亭菊之丞が本出版2010年12月9日落ち着いた高座を見せる古今亭菊之丞著者:古今亭菊之丞 出版社:WAVE出版 価格:¥ 1,575 落語の若手真打ち、古今亭菊之丞が、真打ち昇進の前後などをつづった本「こういう了見」(WAVE出版)を出した。 菊之丞は円菊に入門して13年目の2003年、真打ちに昇進した。昨今は一度に数人、真打ちに昇進することが多いが、菊之丞は前年にNHKの新人演芸大賞を受けたことを評価した寄席の席亭たちに推挙されての昇進だったため、異例の「1人真打ち」になった。 「1人」だけに、東京都内の定席での40日にわたる披露興行は毎日トリをつとめた。心理的な負担に加え、出費も馬鹿にならない。披露パーティーも、披露興行の間の楽屋経費も、1人で持つことになる。借金はパーティー費用だけで600万円にのぼった。 借金を返すため、その後3年間ほぼ休みなしに働い