長野県は25日、産地や品種の異なるコメを長野県産コシヒカリとして販売したとして、同県上田市の卸売業者「尾和米穀」を、日本農林規格(JAS)法と米トレーサビリティー法に基づいて原因究明や再発防止策を講じるよう指導した。 県によると、同社は今年3月から7月にかけて、福島県産コシヒカリ約19トン、長野県産あきたこまち約9トンなどを、長野県産コシヒカリ約30トンと混ぜるといった方法で、長野県産コシヒカリと偽って同県内の米飯製造業者に販売。偽装されたコメは計約68トンに上る。 同社は福島県産コシヒカリを長野県産コシヒカリより1キロあたり10~40円ほど安く購入しており、県に対し「仕入れ値を安くしたかった」と説明しているという。 改善の意思を示していることなどから、県は刑事告発を見送る方針。