シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える 第6回 「新電力の負担」が誤解を招く ~本質的に公平性を欠くのはなぜか?~ 現在、経済産業省「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(以下、貫徹委員会)でさまざまな議論が急速に進み、公平で透明な市場設計という観点から大いに疑問符が付く決定が行われようとしている。諸問題がパズルのように複雑に絡み合って錯綜を極めており、多くの国民や市場関係者に誤解や無関心が生まれている。特に原発廃炉費用の「新電力の負担」というマスコミ等の表現は誤解を生みやすく、混乱に拍車をかけている。本稿ではできるだけシンプルに、何が「本質的に公平性を欠くのか」について解説する。 まず問題を整理するために、現在の電力業界の構造を図1に示す。現時点で「電力会社」というと、発電・送配電・小売部門すべてを持つ一般電気事業者(図中(A))を指す。一方、「新電力」は従来PPS(特定規