二の腕をさわってもらいたい。 あなたの二の腕である。人差し指と中指と親指で、二の腕をそっとやさしくつまんでほしい。そう、そう、もっと・・・もっとだ。力を込めるのではなく、弾くように、奏でるように、リズミカルにあなたの二の腕をさわってもらいたい。 こっちを見て。ジッと僕の目を見て。目を逸らしたらダメ。瞬きもダメだ。僕を見つめながら、自分の二の腕をさわってもらいたい。 さて。 今あなたがさわっているであろう「二の腕」だが、本当は「二の腕」という名前じゃないことはご存知だろうか? もちろん「二の腕」という名前はあるのだけど、それは「肘から手首までの部位」を指すのである。きっとあなたは今、肘から上の肩から下の部分をつまんだまま、きょとんとしていると思うが、その「肘から肩までの部位」の名前、実は、本当は「一の腕」なのである。 ドドーン!! 昔から使われている言葉が、いつの間にか違う意味で使われてしま