「自由ない」海外へ移住 香港の反政府活動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が6月末に施行されて3カ月が過ぎた。中国の統制が強まる中、将来を悲観した香港の若者たちは相次いで海外へ移住。新たな人生を歩みながら故郷の行方を見守っている。 「夜、アパートの外で話し声が聞こえると『警察が来たのかも』と不安で眠れなかった。精神的に限界だった」。9月上旬から英国で暮らすアルフレッドさん=仮名=は、香港を離れる直前の追い詰められた心境を打ち明けた。 昨年6月以降、毎週のように反政府デモに参加。会員制交流サイト(SNS)で知り合った仲間とクラウドファンディングで資金を集め、世界各国の新聞に香港支援を呼び掛ける意見広告を出したほか、海外の政治家を香港に招待する活動にも携わった。 しかし、国安法施行後、香港当局はこうした活動を「外国勢力と結託する行為」と問題視。中心メンバーだった民主活動家が逮捕されたため