中国とフィリピンの対立が激化する南シナ海で、いま中国海警局のある大型船の動きを沿岸国が注視している。 その大きさから“モンスター船”(地元メディア)との異名がつけられた。 さらにその同型船が東シナ海の日中中間線、台湾周辺でも活動し、ここ2年ほどは自らのプレゼンスを誇示するような動きを強めていることがわかってきた。 中国側の狙いは何なのか。現場の海で何が起きているのか。 (NHK取材班)
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フィリピン政府は南シナ海で5日にフィリピンの船が中国海警局の船から放水を受けてけが人が出たことについて、南シナ海の補給任務で負傷者が出るのは初めてだとしたうえで、「最も重大な案件だ」と述べ、中国側に自制を求めました。 フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海のセカンド・トーマス礁の海域では、5日にフィリピン軍の拠点に向かっていた運搬船が、中国海警局の船から放水銃を発射され、乗組員4人がけがをしました。 フィリピン政府の南シナ海対策本部は6日、首都マニラで会見を開き、けがをした乗組員はいずれも軍人で、放水を受けた際に操縦席の窓ガラスが割れて負傷したと説明しました。 そのうえで、南シナ海の補給任務で負傷者が出るのはこれが初めてだと明らかにし、「これまでで最も重大な案件だ」と述べました。 現場の海域ではフィリピン船団の6隻に対して、中国側は海警局の5隻の船に加えて、海上民兵が乗り込んでいたとみられ
日本政府は、フィリピンやベトナムなど東南アジアの4か国の海上保安当局に対して長期的な支援を行う方針を固め、計画作りに乗り出しました。専門家は、南シナ海で各国と領有権争いが続く中国を念頭にしたものだと指摘し、「各国にとって非常に力強い助けになる」と分析しています。 支援の窓口となるのはJICA=国際協力機構で、▽フィリピン、▽インドネシア、▽マレーシア、▽ベトナムを対象の重点国と位置づけ、10年程度の長期の計画を立てた上で支援を行う予定です。 各国のニーズを把握するための現地調査を、ことし1月にフィリピンとインドネシアで行ったほか、ことし4月ごろにマレーシアとベトナムで行う予定です。 各国の海上保安当局などとの協議をもとに、無人機やレーダーの整備、巡視船の供与、人材育成などについての具体的な協力計画を、来年3月までに策定することにしています。 南シナ海をめぐっては、中国がほぼ全域の管轄権を主
フィリピン軍がアメリカ軍とともに南シナ海で合同パトロールを開始したと発表しました。アメリカ軍はパトロールに原子力空母を投入するなどしていて、両国で中国をけん制するねらいがあるものとみられます。 フィリピン軍は3日、アメリカ軍とともに、南シナ海の海域と空域で2日間にわたる合同パトロールを開始したと発表しました。 両国が南シナ海で合同パトロールを実施するのは、フィリピンのマルコス政権では去年11月に続いて2回目です。 今回、フィリピン軍は軍艦4隻を投入し、アメリカ軍は原子力空母の「カール・ビンソン」をはじめ、ミサイル駆逐艦2隻とミサイル巡洋艦1隻、それに複数の戦闘機を投入していて、前回よりも規模を拡大しています。 今回の訓練についてフィリピン軍の制服組トップ、ブラウナー参謀総長は「われわれの同盟はかつてなく強固になった。地域が挑戦に直面する中で、法に基づく国際秩序と自由で開かれたインド太平洋地
主権を誇示するためフィリピンがアユンギン礁で座礁させた軍艦「シエラマドレ」/Ted Aljibe/AFP/Getty Images (CNN) フィリピン政府は10日、南シナ海スプラトリー(南沙)諸島で同国が実効支配するアユンギン礁(中国名・仁愛礁)に駐屯する軍部隊へ向かっていた補給船に、中国海警局の船が放水銃を発射し、針路の変更を強いる危険な行動を仕掛けたなどと非難した。 中国の「海上民兵」の船も今回の妨害行為に加わったと説明。海警局が保持するゴムボートを用いて比の小型船2隻を邪魔したという。負傷者の発生は伝えられていない。 比政府はただ、補給物質の引き渡しは完了させたとも報告した。同国は1999年、アユンギン礁で米海軍の第2次世界大戦時の艦船を意図的に座礁させて部隊を送り込み、周辺海域の主権を誇示している。 一方で、南シナ海のほぼ全域の管轄権を強調する中国も同礁の領有権を主張。中国は他
南シナ海・南沙諸島(スプラトリー諸島)のアユンギン礁(セカンド・トーマス礁)で、座礁させたフィリピン海軍の戦車揚陸艦「シエラマドレ」(2023年4月23日撮影、資料写真)。(c)Ted ALJIBE / AFP 【8月9日 AFP】中国外務省は8日、フィリピンに対し、南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)沖に同国が領有権主張のため座礁させている老朽艦を直ちに撤去するよう改めて求めた。 座礁地点はアユンギン礁(セカンド・トーマス礁、Second Thomas Shoal)で、フィリピンは海兵隊員を座礁艦に常駐させている。 中国外務省報道官は、「フィリピン側は不法座礁させている軍艦を撤去すると繰り返し表明してきた」としながら、「24年が経過しても撤去するどころか、仁愛礁(セカンド・トーマス礁の中国名)の恒久的な占領に向け大規模な改修・補強を試みている」と非難。「
フィリピン、米軍地位協定を破棄 ドゥテルテ大統領指示で 2020年02月11日20時09分 米フィリピン両軍による合同軍事演習=2015年4月、フィリピン・ヌエバエシハ州(AFP時事) 【マニラ時事】フィリピン政府は11日、「訪問米軍に関する地位協定」の破棄を通知したと発表した。ドゥテルテ大統領の指示による措置で、180日後に有効となる。両国の同盟関係に加え、中国が軍事拠点化を進める南シナ海の問題にも影響を及ぼす恐れがある。 比沿岸警備隊、中国と初の合同訓練 マニラ湾で 地位協定は1998年に締結された。両国による合同軍事演習の根拠となっているほか、有事における米軍の迅速な援助を可能としている。一方、殺人や性犯罪の容疑者となった米兵の拘束を、比側が拒否された事件があり、「不平等だ」と批判されていた。 ドゥテルテ大統領は先月23日、自身に近いデラロサ上院議員が米入国ビザの発給を拒否されたこと
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