「子どもが生まれて11年。以来、私の肩書はずっと“主夫”です――」 橋本雄一さん(42歳)、みどりさん(46歳)夫妻(いずれも仮名)は、結婚して13年。小学6年生になる一人息子がいる。 子どもが産まれてから11年間、夫の雄一さんは定職に就いていない。つまり、今の肩書は「主夫」だ。 妻は、美容関連企業ほか数社を運営する敏腕経営者。『子どもの頃から起業家になるのが夢だった』という生粋の仕事大好き人間で、臨月になってもバリバリ働き、会社を回していた。「僕が家庭に入り、子育てに専念するのが一番いいと自然に思えたので、30歳の時に8年間働いた会社を辞めました。迷いは一切、なかったですね」―― 妻と出会ったのは、新卒で入社したアパレルメーカー。配属された経営企画部の、4つ上の先輩だった。 「妻は全社の人事制度の構築を任されていました。一方の僕の役割は、店舗ごとの予算管理。入社してすぐに全国の店舗を回る