【広域図(マピオン)】 秋田県内で完結する数少ない国道のひとつである国道105号(由利本荘市~北秋田市間)の経由地のひとつである、北秋田市阿仁(あに)地区。 ここは平成17年に廃止されるまでの阿仁町で、さらにその中心をなす大字「銀山」は、秋田県の内陸山間部にひときわ歴史深い小都市を形成してきた。 この阿仁の名を県外の人が知る機会があるとしたら、一番は地理の授業だろうか。 江戸中期にこの地で発見された阿仁金山は、やがて佐竹藩が経営する阿仁銀山となり、さらに阿仁銅山へと転じてますます発展し、享保期(18世紀初頭)には銅の産出量において別子銅山(愛媛県)を凌ぐ国内最大の銅山となって、阿仁六山(十一山とも)は数万の人口を抱えた。 阿仁銅山は明治8年から明治政府の官営となり、急速に近代化が進められた。そして18年からは県内の院内銀山などとともに古河市兵衛の所有となり、その後は古河系資本によって昭和