α-リノレン酸は直鎖18炭素で3つのcis二重結合を持つカルボン酸である。最初の二重結合はω末端から数えて3番目の炭素に位置する。したがって、α-リノレン酸は多価不飽和脂肪酸であり、ω-3脂肪酸である。二重結合の場所が違う異性体にω-6脂肪酸のγ-リノレン酸がある。 栄養学では、摂取することが必須の栄養素である必須脂肪酸である。ヒトを含めた多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてEPAやDHAを生産することができるが、α-リノレン酸からEPAやDHAに変換される割合は 10–15 % 程度である[3]。 植物及び微生物中で、ω-3 位に二重結合を作るΔ15-脂肪酸デサチュラーゼ によりリノール酸の二重結合が一個増えてα-リノレン酸が生成される[4]。ヒトを含めた動物はΔ15-脂肪酸デサチュラーゼを有さないので、α-リノレン酸を自ら合成することができない。 ヒトを含めた動物の体内ではΔ6