学校法人・加計(かけ)学園に、国家戦略特区での獣医学部新設を認めた一連の経緯について、安倍晋三首相が「中途半端な妥協だった」とし、同学園以外にも学部新設を認める意向を示した。野党から「これまでの説明を根底からひっくり返す発言」(民進党の野田佳彦幹事長)と批判が相次ぐなど波紋が広がっている。 安倍首相は24日の神戸市での講演の中で、政府が獣医学部新設を限定的に認めた経緯を「こうした中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」とし、「地域に関係なく、2校でも3校でもどんどん獣医学部の新設を認めていく」などと語った。 政府はこれまで、首相の友人が理事長を務める加計学園のみに学部新設を認めた手続きを「関係法令に基づき適切に実施」(安倍首相)などと説明してきた。獣医学部の空白地域に限り新設を認める方針を出したのは、首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議だ。「1校限り」で認める方針も、