「鎌倉仏教のミカタ」という、中世史を専門とする本郷和人氏と、宗教学者である島田裕克已氏が行った対談本がある。これがなかなか面白く大変勉強になったので、その主張を一部紹介してみたい。 特に刺激的なのが、親鸞の経歴に関してである。先の記事で1204年に法然が比叡山から訴えを起こされたとき、弟子たちを激しく諫めた、と書いた。この時に法然が弟子たちに示したのが、「七か条制戒」である。 内容としては「他の仏や菩薩を誹謗するな、無知にも関わらず知識のある人たちに対して諍いを吹っ掛けるな、この戒めに背くものは門人ではない」などといった、門人たちに対して厳しく指導するものだ。内容から法然自身は穏健派であったのだが、フォロワーが過激化していたことが推測できて興味深い。 さてこの「七か条制戒」であるが、最後に弟子たちが署名している。全体で190名の弟子らの名が記されているが、まず筆頭弟子であった信空、続いて隆
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