国内最大級の環濠(かんごう)集落跡、唐古・鍵遺跡(奈良県田原本町、国史跡)で見つかった褐鉄鉱容器に入った勾玉(まがたま)が、弥生時代で最大級のひすい製品と分かり、田原本町教委が18日発表した。 勾玉は2つあり、1つは長さ4・64センチ。弥生時代のひすい製品では全国で10番目の大きさ。もう1つは長さ3・63センチと小ぶりだが、鮮やかな緑色で光沢があり良質のひすいと判明した。 同遺跡は弥生時代の近畿の中心的集落として知られ、その重要性を再認識させる資料。町教委は「褐鉄鉱に入れた意味は分からないが、司祭者や首長層の持ち物だろう」としている。 褐鉄鉱容器は、集落の中枢部とみられる建物群付近の溝で2001年に出土。今回、内部の勾玉や土器片を取り出した。 土器片15点をつなぐと、容器の口にぴったり合う紀元前1世紀のかめのかけらと判明。容器のふたと判断した。