「文化庁メディア芸術祭」は世界43カ国が参加する、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガのフェスティバルです。 12回を迎えた文化庁メディア芸術祭のアート部門は1000作品を超える応募作品が集まり、実にエポックメイキングな年となった。 この応募数はメディア芸術祭の全体の応募数の約半数を占めている。また海外からの応募数が400作品近くもあるというのも特徴的だ。この事実はアート部門が国内だけに留まらず、海外からも注目されているという証しであろう。 今回、審査において気になった点は国内からの応募と海外からの応募との、作品コンセプトにおけるベクトルの差異である。そもそも芸術作品とは、その作家のパーソナルな問題意識が起点となって紡ぎだされていくものであるが、そのベクトルが内(個)へ向かうのと、外(社会)へ向かうのとでは、最終的にはその作品の在り方が変わってくる。 海外からの応募は圧倒的