衆院和歌山1区補選最終日の4月22日、和歌山市の和歌山城近くの街頭は大勢の聴衆と警備の警察官でごった返していた。市内の漁港で岸田文雄首相の足元に爆発物が投げ込まれた事件から1週間。首相は再び和歌山を訪れ、街宣車の上に立った。 何かあればすぐにシャッターを切れるようカメラを構えながら、何事もなく終わってくれとひたすら祈った。一方、レンズ越しに見る首相は、恐怖心など全く感じていないかのように一心に政策を訴えていた。 首相には事件当日から驚かされた。事件後も遊説日程をこなし、最後は東京都内の行きつけの理髪店に立ち寄ったのだ。命の危険にさらされた数時間後、どんな思いで髪を切ったのか、理解できなかった。 昨年7月、参院選のさなか…