ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、ロシアや東欧の政治や歴史研究を専門とする学者14氏が「ウクライナ戦争を一日でも早く止めるために日本政府は何をなすべきか」と題する声明を発表した【別掲】。声明は「憂慮する日本の歴史家の会」のホームページ上に掲載され、日本政府、中国大使館、インド大使館に提出するための署名を募っている。ウクライナを支援する欧米諸国と、反発するロシアとの情報戦が過熱し、メディア報道が客観性を失った熱狂に染まるなかで、中立的立場から停戦合意の実現に向けて具体的に働きかけようとする知識人の行動が注目されている。 声明発表にあたり、呼びかけ人の一人である和田春樹・東京大学名誉教授(ロシア史)は、「私たちはウクライナ戦争を一日でも早く止めるためになにができるかを考えた結果、同じ職業の仲間で、停戦と停戦の仲介を求める声明」を出すことになったと経緯をのべ、次のように動機を説明している。 「ウク