翌朝になれば分かることに手間とコストをかけて馬鹿じゃないか。 まったくだ。 とはいえ、国政選挙の開票日ほど、新聞社やテレビ局に活気があふれる夜はない。ピーク時には1時間あたり十数万項目が集まる開票データを編集局はどう利用しているのか。 多くの報道機関は、選挙の投開票日の夜、最終結果の予測を組織内で共有し、取材・編集の参考にしている。その数値をもとに、政治部の記者は記事を書き始め、接戦になりそうな選挙区に応援記者を送り込む。テレビ局は中継の時間割を組み直す。 開票作業が速い自治体は、午後9時すぎには最終結果を発表する。そのデータを頼りに、残りの自治体の結果を推し量るのが残票予測だ。世論調査とも出口調査とも違い、集計過程に対する予測には教科書がない。 開票作業の終了時刻はおおむね、有権者が多い自治体ほど遅い。