今回は、社会学において賛否はあれども重要な位置をしめる2冊の本を紹介しようと思う。 『グーテンベルクの銀河系』 マーシャル・マクルーハン 『オルレアンのうわさ』 エドガール・モラン 1. 『グーテンベルクの銀河系』マーシャル・マクルーハン イギリスの幻視者でもあり画家でもあり詩人でもあるウィリアム・ブレイクは「エルサレム」という詩にこう書いている。 もし知覚の器官が変わるとしたら、 知覚の対象も変わるらしい。メディアとは身体の拡張であると、トロント大学の文明批評家でもありメディア論学者でもあったマーシャル・マクルーハンは言う。テレビは視覚の拡張であり、電話は聴覚の拡張であり、車は足の拡張であり、衣服は皮膚の拡張である。有限的に閉ざされた身体機能から人間がより大きな自由と発展をのぞむのであれば、われわれはその身体機能にかわるなにかを見つけだすか、その身体機能を拡張するよりほかに方法がない。マ
