決して交通の便がよいとは言い難い西荻窪という立地にも関わらず、2002年のオープン以来、その素朴ながら質の高い料理を求めて、遠方から足を運ぶ人が絶えないと評判なのが『たべごと屋 のらぼう』。 この店の主だったメニューは、野菜をたっぷり使ったお惣菜。その日に入荷した食材によって、日替わりでメニューが考案される。メニューには産地と生産者が記されているため、昨今の流行であるオーガニック系なのかとオーナーである明峯牧夫氏に訊ねたところ、こう話してくれた。「無農薬栽培は理想的ですが、野菜づくりは天候や環境に左右され、とても大変なこと。ある程度、農薬を使用することは仕方のないことだと思っているので、オーガニックをうたうつもりはないですね。ただ、安全なものを食べてもらうのが作り手の責任なので、生産者の顔がわかる食材を使用しています」。野菜は、毎日明峯さん自身が生産者の農園に出向き、直接仕入れている。魚