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ブックマーク / erlkonig.hatenablog.com (9)

  • 『天体の回転について』 - 魔王14歳の幸福な電波

    「海を見る人」の正統続編とでも言うべき、直球のSF短編集。表紙の女の子は起動エレベータのガイドさんで、つまり「軌道エレベータガール」という洒落なんでしょうか。 表題作は、このガイドさんが起動エレベータの仕組みについて延々と説明してくれる内容。道中たいしたアクシデントが起こるわけでもなく、軌道エレベータ旅行とその解説だけで短編一話をまるまる使っているんですけれど、これがまったく退屈しません。ものすごく良くできた学研の科学漫画みたいで、まるで冒険活劇を読んでるような感覚になります。他の作品はいつも通りのエログロクトゥルーなのでアレですけれど、表題作だけは児童推薦図書の棚に並べてもほんとう違和感ないと思います。 「科学的思考ができない人」の言動を極端に描くことで正真正銘サイコホラーの域にまで達してしまえるのが、小林さんの作品の凄いところだと思います。書表題作の冒頭や「三百万」なども、「科学的思

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    yaruki
    yaruki 2012/06/21
  • 「死にたいと騒いでる奴ほど死なない」という主張への反論をひとつ - 魔王14歳の幸福な電波

    2009-09-25 この記事を見て、似たような話はタイトルのような件についても言えそうだな−と*1。「死にたい」と言ってる人の死亡率など、実際の統計データは知らないので、その辺は詳しい人に任せますが……。 頻繁に「死にたい」と訴える人の中で、実際に1年以内に死んだのが仮に300人に1人*2だとして 残りの299人はすぐには死なないから、「死にたい死にたいという奴は死なない」という印象が生まれる ただし日人全体で1年以内に自殺するのは5000人に1人くらい みたいな話だと思ってます。これを「死にたいと騒いでる奴ほど死なない」と言うのは、「今まで交差点で100回信号無視したけど事故を起こしたことはないから、信号無視してる間は事故にならない」とか無茶を言うのと、構図としては同じ論法です。 ネガティブ寄りな精神状態の人ほど、死にたいと漏らす頻度が高まるのは全く自然なことのはずです。あえてそうせ

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    yaruki 2009/09/27
  • 押井守『スカイ・クロラ』の描くもの、それは希望か絶望か - 魔王14歳の幸福な電波

    だいぶ前に見てました。はじめての押井さんです。 感想を書こうと思うんですけれど、こういった色んな人に浅からぬ影響を与えてる監督さんの作品に不用意に言及するとどこから爆弾飛んでくるか分からないので怖いですね! ある人は作を「前向きな作品だ」と言いますけれど、別の人は「地獄のような状況を描いている」と主張します。両者はまるで正反対のような主張に見えます。私も一見したときは、作は希望が描いているのだと感じました。作中で、登場人物は前進のための一歩を踏み出そうとするからです。 でもよくよく思い返してみると、この作中で「踏み出した足がどうなったか」まではたしかに描かれていませんでした。登場人物は歩く意思を見せたけれども、そうやって踏み出した足は当に前に着地したのでしょうか。実は動く床の上に乗せられていて、いくら足を動かそうと自分の座標位置が前に進むことはないのかもしれないのです。 大抵の作品で

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    yaruki 2008/09/07
  • 時間と体力があり余ってる状況において、精神論は圧倒的に正しい - 魔王14歳の幸福な電波

    まず、SEのデスマーチみたいなのは「時間も体力も足りてない状況」でさらに仕事を増やすような「できないこと」なので、そういう頭おかしいのは置いといて。学生とか、ある種のフリーターとか、自宅警備員とか魔王とか、そういうわりと時間も体力もあり余ってる人について。 たとえば一日半時間しか勉強しない人と、一日四時間勉強する人なら、よっぽどやり方がまずくない限り四時間勉強する人の方が成績は伸びるでしょう。実働時間にこのくらいの差があると、小手先のノウハウやちょっとした才能なんて結構問題にならなくなるものです。ライフハックとか言ったって限度があります。 もちろん、追い込み期の受験生や社会人さんの間で、そんな大きな差は生まれないでしょう。皆それなりにがんばっているはずです。でも、前述した学生、ある種のフリーター、自宅警備員、魔王、こういった人々の間では、一日に数倍というレベルの仕事量の差がわりと簡単に発生

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    yaruki 2008/02/26
  • おかげさまで、つまらない作品を読んだことがありません - 魔王14歳の幸福な電波

    「つまらない理由」をいくら列挙しても「面白い」という評価は否定できないに関連して言い足りなかったこととかを。 数少ない私のじまんというかささやかな矜持というか。少なくとも商業作品として出回っている漫画小説*1について、「読むんじゃなかった」と後悔したことは一度もありません。 もともと選びにあまり冒険するタイプではないのであまり変なのは避けてこれたというのもありますし、を一冊読んで「つまらなかった」という否定的感想しか抱けない、その程度の読みしかできないのはとても恥ずかしいことだという自戒*2もあります。 もちろん、「面白さの分からない作品」に出会うことはよくあります。サリンジャーさんのごの楽しみ方がよく分からなかったときはけっこう悩みましたし、音楽・絵画など「物語」以外のジャンルになるとさらに「分かる範囲」が狭くなります私の場合。 でも、そういうものに触れたとき「読む価値のないつま

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    yaruki 2007/09/13
  • 『新興宗教オモイデ教』大槻ケンヂ - 魔王14歳の幸福な電波

    「最近、ラジオや電波を使って俺を誹謗中傷するものがいる! 俺に『早く狂え』と脳髄に直接毒電波を送る者がいる! 誰だぁ!? 名乗り出ろお!」 毒電波ー。 筋肉少女帯の曲の中では『蜘蛛の糸』がいちばん近いです。ノートに痩せた小の絵を描く理由は友達がいないからなんですね。 これが初長編ということですけど、たしかにプロットとかストーリーとかそんなものは知ったことじゃないという作りになってますし、必要のない作品なのだと思います。これだけぐちゃぐちゃとやっておいて、ちゃんと青春小説として成り立っているあたりが実に驚異的です。誘流メグマ祈呪術。 滝竜彦さんとの関連を言う人が多いみたいですけど、大槻さんの作品はむしろ西尾維新さんに近い気がします。友達同士で楽しく仲良く日々を過ごしている「一般人」を強く嫌悪し、自分自身やそれに近い考え方の人だけは孤高で崇高な存在だと信じている主人公のものの考え方は、戯言

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    yaruki 2007/05/01
  • 公共のインフラで主観を表明するのは迷惑 - 魔王14歳の幸福な電波

    tukinohaの絶対ブログ領域 アニメや映画を見て「面白かった」や「つまらなかった」などの主観を記事にする価値ってあるのだろうか?みたいなことを最近は考えています。 不特定多数の人が見る場所で、公共のインフラを使って主観を表明するのってすごく迷惑な行為ではないだろうか、とか tukinohaさんがどういう思考の流れでそういう結論に至ったのかというところに興味が。 まあ当に「○○というアニメを見た。面白かった」で終わってる記事なら、情報としての価値は低いです。(この人がそう感じたなら、自分にとっても……といった判断の材料にはなるので、無価値とは言えないでしょうけど。むしろ、こういった他人の主観を作品を選ぶ際の最大の判断材料としている人が世の中には大多数な気がします) けれど、「この作品のこういうところに自分はこういう印象を持った、それはおそらくこれこれこういう理由によるものなのだろう」と

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    yaruki 2007/03/21
  • 中二病を見下すな - 暗黒エネルギー - 魔王14歳の幸福な電波

    痛いニュース(ノ∀`):不登校の女子中生、ファンタジー小説を“自費出版” 魔法世界にさらわれた主人公の恋と冒険のストーリー 久々にストレートに腹が立ったので感情的に書き殴ります。(1/16追記:文芸社の共同出版の形態がマズいという話についてはid:kanoseさんのとこのこの記事をどうぞ) エターナルフォースブリザードが面白いのは、最後に脈絡もなくくっ付く「相手は死ぬ」などの変な言い回しのためです。「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」も同じ系列でしょう。邪気眼やラ・ヨダソウ・スティアーナは、フィクションの格好良さに憧れるあまり表面だけその真似をしてしまうというところにおかしさがあります。 これらの設定はよく面白おかしく語られますが、実のところそんな珍しいものでも幼稚なものでもありません。何でもいいから思いついた作品の要素をちょっと箇条書きにしてみれば、そのことが分かるでしょ

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    yaruki 2007/01/17
    Erlkonigさん最高です
  • バハラグのヨヨ女王が悪女とか散々な言われようをされていますが - 魔王14歳の幸福な電波

    以下、スクウェアのスーパーファミコン時代のシミュレーションゲーム『バハムートラグーン』の作品内容に関するネタばれを含みます。それにしてもぐだぐだー。時間がなかったので長文になりました。 「スクウェア三大悪女」というよく分からない言葉があって、その中の一人には『バハムートラグーン』のヒロイン、ヨヨ王女の名前が挙げられています。この話題の関連で定期的に見かけるのが被告人 ヨヨというページ。これはよくあるネタで、「どうとでも取れる表現」を徹底的に悪い方に解釈し、その曲解を断定口調で書いたらこんな感じになるだろう、という見のようなページです。こういうネタページが存在すること自体はどうとも思いませんし、遊び心は大切だとも思います。でも、ヨヨ女王を叩く人がたびたびこのページを引き合いに出すのを見ているうちに、どうもこのページの内容をそのまま鵜呑みにしている人が少なくないのではと思うようになりました。

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    yaruki
    yaruki 2006/09/11
    プレイヤーというかビュウの台詞の選択肢を見れば振られる理由も分かる気がするし、主人公と付き合ってた訳でもないしヨヨ悪くないよね。
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