【ソウル=豊浦潤一】ソウルで28日行われたサッカー東アジア杯の日韓戦で、観客席に「歴史を忘れた民族に未来はない」との横断幕が掲げられた問題で、韓国サッカー協会は29日、本紙の電話取材に「前半終了後に撤去した」と明らかにした。 「侮辱的、政治的スローガンの掲載を禁じる国際サッカー連盟(FIFA)の規定に基づいた」と説明している。 横断幕を掲げたのは韓国のサッカー代表チーム応援団「赤い悪魔」。「協会が強制撤去したため、これ以上代表チームを応援することができない」との見解をフェイスブックに掲載。抗議のため、後半の応援をボイコットしたという。 同協会によると「赤い悪魔」は、試合開始前後に、初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家・安重根(アンジュングン)や、豊臣秀吉による文禄・慶長の役で朝鮮水軍を率いて日本軍を破った李舜臣(イスンシン)将軍の巨大肖像画も広げた。