愛知県内の高速道路沿いにあるビジネスホテルが大勢の中国人に沸いている。「爆買い」に象徴される中国人観光客の急増で、ホテルの多い名古屋市だけでは収まりきらなくなってきたためだ。「移動に便利」なのが選ばれる理由のようだが、大半は関東から関西への移動中に立ち寄って泊まるだけ。夜が明けると早々に愛知県を去って行き、目の前にある地元の観光地は素通りされている。 豊田市の東名高速豊田インターチェンジ(IC)から車で5分のビジネスホテル「松風」。日が暮れた午後7時ごろ、京都から走ってきた観光バスが到着する。降りてくるのは、にぎやかに中国語を話す40人前後のツアー客だ。中国は国慶節(建国記念日)を迎えて大型連休の真っ最中だが、松風には暦に関係なく、年明けから大勢の中国人が訪れている。 昨年末、旅行会社から「ICに近くて便利なのでぜひ」と頼み込まれ、団体宿泊を週3~5日受け入れ始めた。会長の宮沢清人さん(6